姫はワケあり黒猫様
『……玲、ごめんね』
この“ごめん”をどう受け取ったのかは知らない。
だけど、私のごめんとは完璧に異なるモノとして受けとっただろう。
『……玲、』
私の体をギュッと抱きしめて玲は私の肩に顔をうずめた。
「……自覚、持ったか?」
『もった』
「……おせぇよ」
『悪ぅござぃましたー』
少し笑いながら言うと、玲もフッと小さく笑った。
息が肩にかかって熱い。
それどころか、玲に触れている体全てが熱い。
……何だろ、コレ。
そんな事考えていると、玲は起きて私の体も起こした。
「これから、お前は俺と一緒に居ろ」
『へ?』
「出席とったら、すぐに屋上に来る様にしろ」
『まっ、何?!』
「…俺もお前と同じ学校だ」
……
えええええぇぇぇ?!
『玲って…』
「あ?」
『老けて見えるね!』
ピクリと冷静な自分が居たの眉が嫌な感じに引き攣り上がった。
『……てへぺろっ> <』
「……へったくそ」
うるさいわ。
「とにかく、俺と一緒に居ろ」
『授業は?』
「……遠矢が教える」
『ん、そか。』
でも、勉強は別に心配無いかも……
玲は、私の腕を掴んでまた隣の部屋に行った。
そこには、皆が大集合。
「お、帰って来た」
響は、強い好奇心の目を私に向けながらニヤニヤと笑った。
紅羅と目が合うと、笑って「何かされたの?」と聞いてきた。
ぶんぶんと首を振ると、「残念♪」と返された。
………紅羅、腹黒?
多少疑惑を抱きながら夕季と佳祐をみると欠伸していた。
優は私を見て笑っていた。
………人を見て笑うって何なんだっ?!