姫はワケあり黒猫様
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『たぁく………寝不足なら言ってくれないと…』
寝てしまった成音の腕からなんとか逃れて毛布をかける。
優し気な寝顔を見つめる。
………成音は、私が居ないと深い眠りにつけなくなってしまった。
コレ、という原因があるのかどうかはわからないが……多分、あれだ。
『……』
伊東 成音-Itou Naoto-。
綺麗な容姿をしていて、少し女の人っぽい感じ。
本人に言うと怒られるので黙っておくが…
ピロリン、と楽し気な音色が広い部屋にやけに響く。
一角にある、大きい横長のデスクにはイス2台と、パソコン。
パソコンにはビデオがつながる様に要求してくるモノが流れている。
『……っはーー…』
首をコキコキと鳴らしてから、
パソコンのキーを静かに押した。
今夜は、徹夜かな。