姫はワケあり黒猫様





『……』




気が抜けて一気に体を脱力感が襲う。





ソファにもたれかかってコーヒーを飲み干す。





『……学校』




カッターシャツとパーカー、ブレザーを羽織りながら欠伸をこぼす。




昨日はてんてこ舞いで睡眠は愚か休みでさえ無かった。





ぐったりと思い体は休むことを本望としている様だ。





そんな体に鞭打って立ち上がる。




スカスカのバッグに意味があるのかと、疑問に感じながらとりあえず外に出た。




『……あ、』






何気なくポケットに入っている携帯を開くと、目も当てられなかった。













新着メール 348件



電話 191件





『……パタン。』



効果音を自分の声で付けながらタッチを押す。


にゃんにゃがにゃんにゃんにゃーん…


『……』




にゃんにゃがにゃんにゃん好きだけど、今は聞きたく無かったかもしれない。






引き攣った頬を気にしながら電話に出る。




『……はい』



「またか、馬鹿野郎」




『サーセンしたぁ‼』



部活のしでかした後輩の様に謝ると、携帯の向こうの相手からは殺気が感じられる。




携帯越しに聞こえるってどういうこと。





少し疑問に思いながら目を瞑ってマンションの壁にもたれる。





『ごめんね、昨日は少し忙しくて…』



「……外に居る。




出てこい」





『わかった』





エレベーターの横から自分の足で立ってマンションの外に出る。





そこにはいつもの車さん。







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