愛の協奏曲
「………………………」
「自己紹介ぐらい言えっつーの‼」
「個人情報漏れるのやだぁ〜」
「光希聖夜だよ
こっちはあたしの双子の兄、蛍」
「よろしくね〜」
「………………」
さっきまでペラペラ喋ってたくせに
「唯、光希くんと友達だったの?
なんで言ってくれなかったのぉ〜」
「いゃ、だからつい最近知り合ったばっかだから」
「知ってる?唯、Tオケのコンミスになったんだって」
「えぇええ⁈マジで⁈唯いつのまに⁈」
「さっきの間に」
「あ〜ぁ僕抜かされちゃったな〜」
「どうせ蛍本気でやってなかったんでしょ?」
蛍はいつもそうだった
どうな重要な場でもあたしが出ていたら必ずその席を譲ってくれた
今回も多分そう………………
「よかったね
頑張ってね」
「ありがとう………………」
蛍があたしが補欠だったことを知ったらどんなに落ち込むだろ………………