ほしくず


「おい、着いたぞ。」



バイクで30分。時刻はもう23時頃だろうか。
竜が連れてきてくれた場所は人工的な光が少ない海だった。



「潮の匂いがする。」




息を吸うと海独特の香りが鼻を通る。

季節が冬ということもあって、少し肌寒い。



「ここなら、見える。」



竜の言葉を聞いて、夜空を見上げる。




「うわぁ。綺麗。」


そこには沢山の星が輝いていた。
街じゃ見れないような夜空にあたしは感嘆の声を上げた。



「沢山見えるだろ?」


「うん。ありがとう。」



満面の笑みでお礼を言うと、頭をクシャッと撫でられた。


竜はあたしを撫でると砂浜に座り込んだ。

あたしもそれにならって竜の隣に座った。








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