ほしくず


「奈々、倉庫に帰るぞ。」



「うんっ、今行く。」



日菜子さんが言った通り竜が迎えに来た。



「奈々ちゃん。頑張ってね!」


「奈々、頑張れ。」



みくと梨理香先輩が耳元で囁いてくる。



「早くしろ。」



遅いあたしに痺れを切らしたのか、竜が眉間に皺を寄せながら口を開いた。



「あ、奈々ちゃん。これ、頼んだよ。」



日菜子さんが後ろで竜に分からないようにビデオカメラを渡してきた。



「友樹に言えば、協力してくれるから。」


友樹が?
これで、竜の反応を撮れってか。



「わ、分かりました。今日は本当にありがとうございました。」



お礼を言って外で待っている竜の元へ行く。



「竜、ごめんね?帰ろう。」



「あぁ。」



竜からヘルメットを受け取り、後ろに跨がる。


お腹に腕を巻きつけるとバイクが走りだした。





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