ほしくず
倉庫に着くと、何故か皆が特攻服に身を包んでいた。
「み、皆どうしたの?」
「ん~。内緒っ☆」
あたしに気づいた春馬がウインクをしてそう言った。
内緒って……。
「お前も着るか?」
「あ、あたしも?」
あたしにそう聞く竜も黒い特攻服を着ていて。
肩から金の竜の刺繍が施してある。
「お前の作らせた。」
そう言って紙袋をあたしに渡した。
「これが、あたしの特攻服……。」
中に入っていた物を取り出すと、出てきたのは黒い特攻服。
背中を見ると、“蒼き竜の姫”と青色の刺繍がしてある。
蒼き竜の姫……。
あたしが竜の女ということを示している。
「気に入ったか?」
「うん!ありがとう、竜。」
竜は右袖に金の竜。
あたしは左袖に金の竜。
お互いを見つめ合うようになっている。
「これを着ると俺の女だって示す事が出来る。それと、お前穴開けろ。」
「え?穴?」
「あぁ。ピアッサーあるから、耳貸せ。」
ピアッサーなんて使ったこと無いし、ましてや穴を開けたことも無い。
けど、竜がそう言うからには何か訳がある。
だからあたしは大人しく耳を竜の方に向けた。