ほしくず



「おい。」






急にかけられた言葉。




それは丁度男とすれ違う時だった。






「…………。」




「聞こえてねぇのか?」






低い声。けど、どこか優しさを含んだ声で怖くなかった。





「き、聞こえてます…」






口から出たのは緊張してるのか震えてる声。






「なら、返事しろ。お前、いつもここに居るのか?」



「は、はい…」







どうしてこんな事を聞くのだろう…?



名前も知らない赤の他人なのに…






「なんでそんなに悲しそうなんだ?死にてぇって顔してる。」






悲しそう?
死にたい?






「あなたに言うつもりはない。言ったら、助けてくれるの?あたしを暗闇から出してくれる?」







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