ほしくず



「春、うるせぇから黙ってろ。」



「はあい!!」




手をビシッと挙げて返事をする彼は、凄く幼稚にみえる。いや、幼稚だ。





「で、なんで無駄なんだ?」




「あたしごときでアイツは動かない。」




アイツは何人もの女の人と関係を持っている。あたしはその中の1人にしか過ぎないのだ。




「そんなの、わかんねぇだろ。取り敢えず、移動する。来い。」




「ちょっと………!!!」



赤塚竜はあたしの手首を掴んで屋上から出た。




「どこ、行くのよっ……!!」




「あ?行けば分かる。」



あたしはこの時から期待していたのかもしれない。
針穴位の希望があたしの心の中に出現した。





1月5日。






赤塚竜とその仲間に黒い高級車に乗せられて、あたしは拉致された。





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