ほしくず
「昨日あれから何してたの!?棟磨さんめっちゃ、探してたよ?」
もう棟磨とあたしは赤の他人。
けど、ちゃんと話し合って別れた訳じゃない。
どうしようかと隣に居る竜を見上げると、竜もあたしの事を見ていた。
「きゃあ!イケメンっ!奈々二股!?やるじゃん!」
「ちがっ…………」
違うって言おうとしたのに、竜に遮られた。
「こいつはもう北神とは関係ねぇ。今は俺の女だ。」
ぎゅっと肩を抱き寄せられる。
「嘘っ!?奈々、そうなの!?」
「う、ん…」
「奈々幸せもんだねぇ!やっぱモテるなぁ。マジで羨ましいわ。」
目を輝かせてあたしを見てくる優里。
あたしよりもあんたの方がモテるよと心の中で呟いた。
口で言っても、絶対奈々がモテるよ!と言って聞かないだろうから。
「奈々、昼屋上来いよ。」
「うん。」
あたしが頷いたのを満足そうに見て、竜は自分の教室に行った。