bloody mary

気がつけば俺は、短期間で一大組織を壊滅させていた。

ファミリーの消滅と同時に、ソコでつけられた
『二丁拳銃の悪魔』
という呼び名は消えた。

顔を見る時は、死ぬ時。
アジア人という噂はあるが、詳細は不明。
たった一人で組織を潰した、血塗れの死神。

俺は畏怖と敬意を込めて、こう呼ばれることとなる。

『bloody mary』



ハイ。
振り出しに戻りマシタ。

このあだ名がイヤで荒れて、グレて、やさぐれて。
とうとう逃げ出したにも関わらず、結局コレに落ち着いた。

まぁ今までとは、ニュアンスが違うケドさ。

また抗っても、振り切ろうと足掻いても、きっと無駄なンだろう。

また鼻血と共に、コレに辿り着くンだろう。

もうイイしー。

どーせ俺は、鼻血塗れのマリーだしー。

コレで満足か?!
クソ神が!!

とうとう諦めの境地に達した俺は、自他共に認める

『ブラッディマリー』

になった。

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