bloody mary
「学校、楽しいよ?
友達をたくさん作ったり、彼氏なんかもできちゃったり?」
「私… そんな…
カレシなんて…」
「菜々ちゃん、可愛いンだし。
きっと人気者」
「作るなら、彼氏より先にハンバーグだろ。」
説得を続けるアンジェラと顔を伏せたままの菜々の会話に、マリーが割って入った。
「エビフライでもいいゾ。
まず、俺の好物を作れ。」
「自己中か。」
その上オコチャマか。
アンジェラは溜め息を吐いてから、冷ややかにマリーを見た。
「アンタの好きな食いモンとかこの際どーでもイイから。
菜々ちゃんの将来に比べたら、ハンバーグなんてウ○コだから。」
あんまりだろ、おい。
ハンバーグに謝れ。
眉を吊り上げたマリーを無視して、アンジェラはもう一度菜々に向き直る。
「ね? 考えてみよ?」
「…ハイ。」
菜々は顔を上げて笑った。
マリーは黙って味噌汁を啜りながら、菜々の笑顔を見つめた。