bloody mary

言葉の途中で斜め後ろに視線を送ったマリーが、ギョっとして足を止める。

口をへの字に曲げて。
眉間に皺を寄せて。

大きな目でマリーを見つめたまま、菜々は涙をボロボロ零していた。


「ななな… ナンデ?
いったいドーシタ?」


「ぅぅ…
ばり…ざ…ん ぅぇっ
ぶぁりぃぃざぁぁぁぁぁん…」


バリーさん?

ダレ?ソレ。
ゆるキャラ?

謎の『バリー』を呼びながらも菜々の眼差しはマリーから離れない。
もちろん、涙を流したまま。


(…
やっぱ… 俺か?)


ナンデ?
ナンデ泣く?

俺、ナニしちゃったの??

マリーは焦りながらも打開策を見つけるべく辺りを見回した。

すぐソコには、コンビニ…


「よ…よし。菜々、泣くな。
飴買ってやるから。
アイスがイイか?」


なんて子供騙しなご機嫌取り。

でも、しょーがないヨネ?
なんせ経験値が低いからネ?

打算や下心のない素直な涙なんて、ほぼお目にかかったコトないからネ───??!!

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