bloody mary
「…
ナニがあった?」
枯れ木のようなマリー。
お菓子満載のコンビニ袋を腕に提げて、赤い目を擦る菜々。
手を繋ぐ二人を玄関で出迎えたアンジェラは、顔を引きつらせた。
ナニ?コレ。
マリーが行けば、もう大丈夫だと思ってたのに。
まさか…
「マリー…
菜々の前で、あのガキ共を…」
「…殺ってねぇよ…」
なんてハリのない声。
吹けば飛びそう。
だがまぁ、一安心。
18禁生ライブを繰り広げたワケではなさそうだ。
でも…
じゃあ、ナンデ?
「とりあえず、早く上がって。
コーヒーでも飲んで落ち着い…
ん?」
踵を返そうとしたアンジェラの腕を、菜々が掴んで引き止めた。
「菜々ちゃん? どーし」
「私… 私…
まだ、学校に行きたくないンデス…」
「へ?」
目を丸くするアンジェラを、菜々は充血しきった目で縋るように見上げた。