bloody mary
Ⅴ
「そう言えば…
マリーさん、どうしてアソコにいたンですか?」
夕飯のカレーをスプーンで掬いながら菜々がポツリと呟いた。
アンジェラの愛はコンビニではなく、菜々の好物であるカレーに姿を変えた。
ハンバーグとかエビフライとかカレーとか…
子育て家庭デスカ。
「…
たまたま通りかかったダケ。」
マリーは水を一口飲んで、菜々から視線を逸らしたまま答えた。
捜し回りマシタ☆
なんて、言えねぇしな。
ニヤニヤしてンな、アンジー。
殺すゾ、コラ。
「ま…
まぁまぁ、イイじゃん?
全て丸く収まったワケだし?」
マリーの殺気のこもった視線に気づいたアンジェラが、焦ってその場を取り成した。
「明日から、ちょっとずつ勉強始めよっか。
俺、カテキョのバイトとかしてたし、任せてよ!」
「ハイ!
よろしくお願いシマス!」
自信アリゲに片目を閉じたアンジェラに、菜々が嬉しそうに頷いた。