bloody mary
「…
ナニゴト?」
リビングに入ってきたマリーはハサミ片手にせっせと作業中の菜々とアンジェラに訊ねた。
星?
輪っか?
なんか… ザクザク?
ソレと、長方形の紙?
ダイニングテーブルの上は、切られたり折られたりした色紙で溢れている。
「マリー、出掛けンの?」
手元に視線を落としたままのアンジェラが、答えになっていない言葉を返した。
彼の手の中の色紙は、驚くほど細く正確に刻まれている。
器用だな、まじで。
医者ってみんなそうなの?
マリーはテーブルに歩み寄り、金色の星を一枚つまみ上げた。
「おぅ、漫喫行く。
で? コレはナニゴト?」
「帰りに、笹買ってきてくンない?」
だーかーらぁ、答えになってねぇって。
切った紙を広げて満足そうに頷き、やっと顔を上げたアンジェラをマリーは睨んだ。
「笹?
食うの? パンダなの?」
「んなワケねーだろ。」
アンジェラは片手で肩を揉みながら、首を鳴らして苦笑した。