bloody mary
でもね?
今日は七夕なんかより、もっと大切な日だから。
「片付けが終わったら、アンジーの手伝いしてやって。
七面鳥は無理だろうケド、なんかスゲぇの作る気だから。」
「?
夕飯、スゴいンですか?」
「おぅ。
おまえのバースデーパーティーだってよ。」
「??!!」
さっき以上に見開かれた菜々の目を見て、マリーは横を向いて笑いを堪えた。
○図かずお再来。
あんま笑わせンなよ。
「ぁゎゎ…
わわ私、そんなつもりじゃ…」
「おまえにそのつもりはなくても、もうアンジーはバリバリその気だから。
放置しちゃカワイソーだろ?」
キッチンを顎でしゃくったマリーが、サングラスをかけた。
オロオロと揺れていた菜々の動きがピタリと止まる。
「マリーさん… ドコに…」
「漫喫。
笹は買ってこねぇケド。」
軽く手を振ったマリーの広い背中が、リビングドアの向こうに消えた。