bloody mary

まじか?!

やっぱ、早く人間になりたい…

唖然とするマリーと菜々を残して、アンジェラは部屋を出て行った。

…イイの?
あの人、男のままだったケド…

‥‥‥

ま、いっか。


「菜々。」


静かになったリビングで、マリーは右手の指をチョイチョイと曲げて菜々を呼んだ。


「ハイ。」


素直に寄ってきた菜々が、目の前に立つマリーを見上げる。


「ちょっと後ろ向いてみ?」


「ハイ。」


なんの躊躇いもなく、クルリと背を向ける16才になった少女。

警戒心の欠片もねぇな。
こんな無防備で、大丈夫なの?

マリーは苦笑しながら、ポケットから出したモノを菜々の細い首に回した。


「?
なんですか?」


「動くなよ。
んー… ん、もうイイぞ。」


許可が下りて首にかかったモノを指でつまみながら胸元に視線を落とした菜々は、ギシっと音を立てて見事にフリーズした。

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