bloody mary
ハイ、全く似合ってマセン。
ヘっタクソなビッチスマイルより、さっきの高飛車女王様のほうがよっぽどマシ。
「オメェさぁ…
惚れた女とヤるワケじゃナシ…」
進路を塞がれて仕方なく足を止めたマリーは、頭を掻きながら言った。
「金払ってまでマグロ抱きたい男がドコにいンの?
どーせ買うなら、色々楽しませてくれる経験値の高い女にするわ。」
「そんなモン?
おかしーな…」
キツい顔立ちが不安に曇る。
お?
意外にカワイーじゃねぇか。
「そーやってシオラシクしてりゃ、金持ちのオッサンなら言い値で買ってくれンじゃね?
じゃ、ガンバレ。」
「やっ! 待って!
オニーサンがいいンだって!」
横をすり抜けようとしたマリーの腰に、少女が縋りついた。
なんなの? このコ。
初対面でこりゃねーだろ。
「ボランティアで処女抱く気はねぇよ。
放せ。」
マリーは少女の腕を振り払おうとした。