bloody mary

しかし少女は離れてくれない。
ますます腕の力を強め、マリーに抱きつく。

もはや熱い抱擁のレベルだヨ、コレ。


「お願いっ!
オニーサンなら、なんかわかンないケド安心っつーか…
私コレでもビビってンだよ…」


タカビーでもビッチでもない、弱々しく揺れる瞳で少女はマリーを見上げた。

安心って…

ナニガ?
ドコガ?

そんな不安そうな、泣きそうな顔しちゃってさ。


「おまえ…
ビビってンなら売春なんて」


やめとけ

そう言いたかった。

だが最後まで言えず、マリーは硬直した。

感じる…
鼻の下に生温かいモノを‥‥‥

ソレを見た少女が、青ざめながらも挑発的に口角を上げた。


「ほ… ほらぁ…
ナンダカンダ言って、オニーサンだってヤる気じゃん。
コーフンしてンでショ?」


いやいやいや…
コーフンの鼻血じゃねーから。
『予兆』の鼻血だから。

ヤバい運命の足音が聞こえる…

この場を逃げ出さなければ。

今すぐに!!!

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