bloody mary

違和感アリアリだが、どうやら二人は知り合いらしい。


「スンマセンね、もうちょい待ってもらえます?
今月の分、まとめて返せそうなんで。」


ニコニコからニヤニヤに笑顔の種類を変えた優男が、頭を下げる。

今月分? 返す?


「聞こえてたよ。
初めてで、一晩に二人だって?
見込みありそーじゃねぇか。」


オヤジも、ニヤニヤしながらタバコをくわえる。

見込み?

不穏な空気が漂う会話だ。
オヤジはもちろん、優男も見た目通りの普通の男ではないのかも知れない。


「そりゃあ上玉ですヨ。
俺が愛する女ですから?」


「『僕』だろーが。
おまえの代わりに借金返してくれる女だ。
そりゃ、目一杯愛してやンねーとなぁ?」


「もうしばらくウブいカンジで稼がせてから、色々仕込みますヨ。
店に出しても、すぐに使いモノになるよーにね。」


「その話は女を見てからだ。
ウチは高級店だからな。
テクがあっても、デブやブスは引き取らねぇゾ。」


不穏ってか…
女を風呂に沈める算段じゃね?ソレ。

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