bloody mary

「とにかく、ソコソコの女で素直に店に入ってくれりゃ、これで約束の三人目だ。
借金帳消しだな。
もうバカラも程々にしろよ。」


バカラ。

海外のカジノで100億スったバカがいることで有名な、日本では非合法の賭博。

バカラに限らず、ギャンブルは麻薬だ。
深みにはまれば、勝利の快感を求めて借金を繰り返してでも打ち続けてしまう。

まさに底無し沼。
簡単には抜け出せない。

オヤジにはソレがわかっているのだろう。

だから『程々にしろ』と言う口調はおざなりだ。

当然、当事者である優男にもわかっているのだろう。


「努力はしますヨ。
またお世話になるかもしれませんがね。」


真剣味の欠片もない声で言う。


「ソッチはともかく、女は保証しますヨ。
ちょっと気が強いケド容姿は抜群だし、なんと言っても俺のためならなんでもシてくれますからね。
まぁ、じっくり検分して
ぶっっ?!」


ニヤニヤと下品に笑う優男の顔に赤いモシャモシャが飛んできて、彼の言葉を遮った。

ナニ?
モシャモシャ。

ウィッグ‥‥‥?

< 170 / 464 >

この作品をシェア

pagetop