bloody mary
「とにかく、ソコソコの女で素直に店に入ってくれりゃ、これで約束の三人目だ。
借金帳消しだな。
もうバカラも程々にしろよ。」
バカラ。
海外のカジノで100億スったバカがいることで有名な、日本では非合法の賭博。
バカラに限らず、ギャンブルは麻薬だ。
深みにはまれば、勝利の快感を求めて借金を繰り返してでも打ち続けてしまう。
まさに底無し沼。
簡単には抜け出せない。
オヤジにはソレがわかっているのだろう。
だから『程々にしろ』と言う口調はおざなりだ。
当然、当事者である優男にもわかっているのだろう。
「努力はしますヨ。
またお世話になるかもしれませんがね。」
真剣味の欠片もない声で言う。
「ソッチはともかく、女は保証しますヨ。
ちょっと気が強いケド容姿は抜群だし、なんと言っても俺のためならなんでもシてくれますからね。
まぁ、じっくり検分して
ぶっっ?!」
ニヤニヤと下品に笑う優男の顔に赤いモシャモシャが飛んできて、彼の言葉を遮った。
ナニ?
モシャモシャ。
ウィッグ‥‥‥?