bloody mary
缶はすぐに見つかった。
喋るクセに動かねーの?
中途半端な生き方だな、おい。
だが、見つけたモノがもう一つ…
マリーが蹴り飛ばした空き缶のすぐ隣に、真っ黒な塊が捨てられていた。
‥‥‥人型に見えマスネ。
てか、焦げた人間デスカネ。
(まじか。)
マリーは無造作に廃棄された謎の焦げ人間を見下ろして、ポリポリと頭を掻いた。
俺、ヤっちゃった?
空き缶のハズが、爆発物だった?
いやいや、そんなワケねーよ。
ボンっていわなかったもん。
じゃ、アレか?
ココに寝てた焦げ人間に、空き缶がトドメ刺しちゃったのか?
そりゃ悪かったな。
でもそこまでこんがり焦げてりゃ、どーせ先は長くなかっただろ?
南無阿弥陀仏。
呻き声を上げたのが空き缶じゃないのなら、ココに長居する意味はない。
興味を失くしたマリーが踵を返す。
「ぅぅ… かみ…さま…」
再び聞こえた呻き声が、マリーの足を止めさせた。
経は気が早かったようだ。
マリーは顔色も変えずに振り返った。