bloody mary

もっと違う想像をしていた。

もっと荒々しくて猛々しくて、屈強で大柄な…
いかにもラ○ポーみたいな?

若い。
そして、研ぎ澄まされた日本刀のように鋭く美しい。

だがその感情の読めない瞳は、奈落への入り口のように黒く、暗く、昏く‥‥‥


「あ゛ああああぁぁぁぁぁ!!」


『唯一無二の神』という名の玉座から蹴落とされた殺人鬼の口から、耳をつんざくような絶叫が放たれた。


「…うるせーな。」


新たに君臨した神…
マリーが眉根を寄せて呟く。

階段を下りきったマリーは、ポリタンクを足元に置いて辺りを見回した。
ベッドの上にある被害者の物とおぼしきストールを発見し、ソレを手に取って…


「黙っとけ。」


「あ゛ああ あぁぁぁぐっっ?!」


叫び続ける殺人鬼の口に、無情に押し込む。

ヒドい?
や、そーでもねーだろ。
悲鳴を聞いて楽しむ趣味がないダケだから。

急所を外して死なないように撃ったが、実はソレも趣味ではない。

マリーのモットーは一撃必殺。
眉間か心臓を撃ち抜く。

なんたって、弾の無駄だしネ?

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