bloody mary
「…
なんで知ってンの?」
「噂に… なってた…
ソイツはもう…
死神の獲物だって…
ブラッディマリー に…
殺さ…れるって…
ハ… ハハ… ザマァ…」
「ふぅん…」
ザマァって…
笑ってる場合じゃないヨ?君。
そんな噂が立ってたの。
ますます運が悪ィな。
俺を見て、俺が誰だか知ってしまったら。
わかるだろ?
マリーは再び銃を手にした。
巻き添えを食らって生きながら焼かれるのは気の毒だ。
ひと思いに、楽にしてやる。
目の前に突きつけられた銃口を見て、血や埃で汚れてはいるものの、品の良いパンツスーツを着た長い金髪の『女』は微笑みながら目を閉じた。
覚悟は決まっていたようだ。
その潔さ、殺るのはもったいねーケド。
南無阿弥陀仏。
トリガーを引き絞ろうとしたマリーの指を…
「帰り… 気をつけて…
ソイツが… アンタを警戒して…軍隊並みの自警団…
雇ったって噂も… 聞いた…」
『女』の言葉が止めた。
(軍隊並みの自警団?)