bloody mary
Ⅰ
ドアを開けたマリーは驚いて足を止めた。
漫喫から帰ると、やけに興奮ぎみの菜々とアンジェラが、玄関で待ち構えていたのだ。
ナニ?コレ。
俺、ナンカした?
こんな顔で待ち伏せされる心当たりはねーよ?
「ナニ?」
内心の動揺を表情には出さず、あくまで冷静にマリーは訊ねた。
「マリーさん…
ネカフェに行ってましたネ?」
「…
漫喫な。」
マリーを凝視したまま口を開いた菜々に、マリーが返す。
なんだろう、この緊張感。
尋問?
てか俺、漫喫行ってくるって言って、家出たよな?確か。
「今日は駅前じゃなくて、結構遠くのネカフェですヨネ?
近くに大学がある?」
だから、漫喫だってば。
…あら?
場所まで言ったっけ?
「ひょっとして…
店の窓側の通路の、奥から二番目辺りのブースにいたり…?」
「?!」
ビンゴ?!