bloody mary
あら?
そのガッツポーズ、いつもよりデカくね?
アンジーとハイタッチもしないネ。
ナンデ?
その答えは、コーヒーを乗せたトレーを持ってキッチンから出てきた、アンジェラの口から飛び出した。
「ソレ、菜々ちゃんが俺にも内緒で、一人で作ったンだゼ?」
「‥‥‥まじか。」
このコ、目を見張る勢いで腕上げてンじゃねーか。
「おまえ、ほんとスゲぇな。」
マリーが素直な賛辞を口にしながら菜々を見つめると、彼女はみるみる赤くなる。
「あ… えと… だって…
バレンタインだから…
アンジェラさんに手伝ってもらっちゃ、意味ないカナって…」
あー…
そー言や今日は、バレンタインだっけ…
えーと…
バレンタインっつーのは、元々人の名前なンだよ?
その人が殉教した日が、2/14らしいよ?
つまり、バレンタインさんの命日であって‥‥‥‥‥ ぅー…
あああああぁぁぁぁぁっっ!!
現実逃避もままならねぇぇぇ?!
そんな顔しないでぇぇぇぇぇ?!