bloody mary

「コレ、クーベルチュールで作ったンじゃね?」


「ハイ。」


クーベル… ナニ?


「やっぱり。本格的だもんね。
その辺に売ってた?
専門店に行かなきゃなくね?」


「えと…
実は、少し分けていただいたンです。」


へぇ。そーなの。

そんなコトより、もう顔上げても大丈夫?
心臓に悪い状況は去った?


「え? 誰に?」


「ニシヤマさんです。
作る時のポイントも、教えて下さって…」


‥‥‥‥‥ニシヤマさん?


「誰? ソレ。」


瞬時に挙動不審を脱却したマリーが、低い声で菜々に問うた。


「え? あの…
角のベーカリーの…」


「あぁ、あの人か。
菜々ちゃん、いつの間に仲良くなってたの?」


仲良く‥‥‥だぁ?

パン屋のニシヤマ?

ナニソレ? ダレソレ?
全く知らねンだケド?!

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