bloody mary
マリーが茫然と菜々を見下ろす。
やっとマリーの注意が自分に向いたのを確認して、軽く息を吐いた菜々は持っていたノートパソコンを開いた。
地図が表示されている。
菜々の言う国道には、点滅する赤い光が…
「アンジェラさんの髪飾りに、発信機がついてるンです。」
「…まじか。」
ナニ? このミラクル。
神か。
目撃者も監視カメラも車の特定も、省略。
大幅な時間短縮。
生きたアンジェラを奪還できる…か?
地図上の赤い点に鋭い視線を注ぐマリーを見つめていた菜々が 低く呟いた。
「やっぱり、ナニカあったンですね。」
「や、移動ウ○コじゃね?」
菜々からパソコンを奪い取ったマリーが、彼女の手を引いて歩き出す。
もうウ○コなんかで誤魔化せるとは思っていない。
「私にもナニか… あっ」
協力を申し出ようとする菜々を無視して、マリーは彼女をリビングに押し込んだ。
一発ブチかまして室内側のドアノブだけを破壊し、素早く廊下に出てリビングドアを閉じる。