bloody mary
最後に残った最重要確認事項は いともアッサリ相手側からもたらされた。
「今のはなんなの?!」
開いていた奥の扉から、さっき無線で聞いた女の声が響く。
別の人間がいるのなら、ソイツが声を掛けるか、様子を見に下りてくるだろう。
要するに、三階には女とアンジェラしかいない。
どーも、どーも、アリガトウ。
敵は事務所に6人。
後、最初の死体のセリフが
『遅かったな』
だったとしたら、帰ってくる予定の敵が数人。
今いる場所からは、部屋の入り口も奥の扉も全て見渡せる。
うん、楽勝☆
今さら慌てふためいて武器を取るバカ共を、マリーは皮肉に微笑みながら見回した。
だ が し か し !!!
その笑みは即座に凍りついた。
外から、微かに声が聞こえる…
「テメェ、ドコのモンだぁ?!」
「シっ!!」
ソファーから立ち上がって怒鳴った男を、マリーが唇に人差し指を当てて鋭く制した。
合図か?、仲間か?、ドコにいるンだ?、気をつけろ…
6人の男たちも緊張に身を強張らせ、息を潜めて聞き耳を立てる。
静まり返った事務所に、徐々に近づくその声は…