bloody mary
「ソレ、中国製トカレフだろ。
そんな化石みてぇなモン、今時の暴力団は使わねぇよな?」
「俺らは…
そんな大それたモンじゃない…
依頼を受けた仕事をこなす、便利屋みてぇなモンだよ…」
「便利屋だぁ?」
銃やら刀やら持って?
モノは言い様ダネ。
絶対、外壁のペンキ塗りとか犬小屋作りとか、したコトねーだろ。
依頼案件は、脅迫・拉致・殺し その他諸々ってトコか。
同業者かよ。
か───なりショボいケド。
マリーは溜め息を一つ吐き、まるで子供を諭すようにオヤジに語りかけた。
「よく聞け。
銃は脅し道具じゃない。
用途と性能を考えてよく選べ。
こんなんじゃ、まともに的に当たンねーよ。
銃を一丁捨てさせたくらいで安心すンな。
平和ボケか。
相手が呼吸をやめるまで、一瞬たりとも気ィ緩めンな。
ちなみに俺のスタイルは、デュアル ウィールドだ。
後、痩せろデブ。」
出たよ、暴言。
だがオヤジは怒るでもなく、無言でコクコク頷き続ける。
「よし、忘れンなよ。
次はもっと俺を楽しませろ。」
マリーは満足げに言った。