bloody mary
ガチャ
「ちょーっと待ったぁぁぁ!!」
ドアの音に弾かれたように身を起こしたアンジェラは、後ろ手に拘束されたまま開いた扉の前に立ち塞がった。
予想通り、ソコにはマリー。
予想通り、いきなり銃口。
やっぱ、挨拶もなくブっ放す気デスネ。
ソーデスネ。
「あー… マリー…
えっと…」
片眉を吊り上げたマリーを前に アンジェラは口ごもった。
なんのために飛び出した?
助けに来てくれた、礼を言うため?
ココに辿り着くに至った、経緯を聞くため?
うん。
それも大事なコトだケド…
アンジェラの後ろにチラリと視線を送ったマリーが口を開く。
「ナニ?
アレ、おまえの団地妻なの?」
「ハイ?」
ナゼに団地妻?
いや、団地妻でもセレブ妻でもなんでもいいケドさ。
そう、背後に立つ女のために、アンジェラは飛び出した。
そうでもしなければ、マリーは問答無用で彼女を撃ち殺していただろう。