bloody mary
数秒後、
「「あ─────??!!」」
二種類の絶叫がビルを揺るがした。
今度はなんなの?
「ななな菜々ちゃん!
ほっぺに血がぁぁぁ?!
ケガなの? ケガしたの?!」
青ざめるアンジェラ。
「あああアンジェラさん!
しばしば縛られて…
ナニをされたンですかぁぁ?!」
青ざめる菜々。
ぁわわ大変、治療だ、手術だ…
ぁわわ大変、ハサミだ、包丁だ‥‥‥
うん。
おまえらの頭が大変だ。
駆け寄ってきた菜々は、もうマリーには四次元ポケットにしか見えないリュックからハサミを取り出し、アンジェラを拘束していた結束バンドを切った。
アンジェラは自由になった両手で菜々の頬を包み込み、彼女の顔に傷がないことを確認した。
ハイ、一安心。
ヨカッタネ。
「なぁ… そろそろ退いて…」
落ち着いた頃合いを見計らって このちょっとアブナイ現状を打破しようとマリーが声を掛ける。
が!!
話し終わる前に菜々がマリーの上に乗っかり、アンジェラの腰に抱きついた。