bloody mary
「引退して腑抜けになった殺し屋なんて、いいカモだ。
今まで殺ったターゲットの関係者や名を挙げたいルーキー共が群れをなして襲ってくンぞ。」
そう、マリーの言う通り。
彼は殺し屋だ。
人殺しだ。
ソレは一生つきまとう業。
たくさんの命を奪っておきながら、『やーめた☆』の一言で平穏無事な生活が送れるはずがない。
代償は、孤独。
それでもマリーは笑っている。
笑って、項垂れるアンジェラの頭をガシガシ撫でる。
「オメェが凹んでどーすンだ。
そんなコト、端っから覚悟の上なんだよ。
‥‥‥それに、な。」
不意にマリーは閉じられた部屋の扉に視線を向けた。
そして、そのまま口を開く。
「菜々はこのままじゃヤバい。」
「…ヤバい?」
「アイツこの前、ガンガン銃弾が飛んでガンガン死人が出る中を突っ走りやがった。
フツー、躊躇すンだろ。
ヘタすりゃ死ぬンだゾ?
それを、なんの迷いもなく。
俺が言った通りに。
ソレって、おまえが言ってた被虐待児なんちゃらの、依存ってヤツなンじゃねーのか?」
「…まじで?」