bloody mary
俺だって、健全な中学校生活に憧れていたりした。
バスケ部に入ったりして。
爽やかに汗を流したりして。
タッパだって申し分ねぇしな。
中学校には、他の小学校の生徒も合流する。
忌まわしいあだ名を知らないヤツもたくさんいる。
俺は、キセキの世代として生まれ変わるンだ‥‥‥
俺は希望を胸に抱き、意気揚々と入学式に臨んだ。
えー、突然デスガ。
入学式とか卒業式とかの時、体育館にシート敷いてない?
一枚モノじゃなくて、細いのを重ねて敷いてない?
アレさー、結構危なくね?
敷き方が雑だったり、ちゃんと敷いてても、椅子を並べる時にヨレたりとかしてさ。
合わせの部分の隙間に躓いたりとか…
ハイ、ご想像通り!
『新入生入場』
とかいって厳かな空気が流れる中、派手にすっ転びマシタYO!
鼻血が噴き出マシタYO───!!
また俺にあだ名がついた。
また全校公認の。
俺は、ブラッディマリーになった。
俺はグレた。
不良共が、名前を聞いただけで裸足で逃げ出す危険人物。
夜の校舎窓ガラス壊して回り、盗んだバイクで走り出す、立派な尾崎チルドレン。
かくして俺は、鼻血とバイオレンスに塗れた三年間を送ることになった。
だが、だが、高校生になれば…