bloody mary
マリーはこめかみに冷たい汗を感じながら振り返った。
落下しているのは、アンジェラがインテリアとしてリビングに飾っていたガネーシャの石像。
ドアの上には、ソレを支えていたであろう板とワイヤーが見える。
扉が開くと発動する罠デスネ。
コレが、ドーンの正体。
板に括りつけられたワイヤーは 壁際にあるラタンのTVボードに置かれた見覚えのないボウガンに伸びていた。
…ん? 今、ナンテ?
ボウガン?
スリングショットを改造したモノみたいだケド…
それでも、ボウガン?
じゃ、飛んできて壁にブっ刺さったのは、矢?
石像トラップと連動して発射される、罠デスネ。
コレが、ヒュっの正体。
なんつーか… スゲェな。
コレ、回避方法まで予測した、三段構えの罠じゃナイ?
立派な罠師の仕事だよ。
トラップ・マスター降臨だよ。
色々と飛び越えて、むしろ感動しちゃう‥‥‥
(って、感動してる場合じゃねェェェ!!)
マリーは力任せに壁から生えた矢を引っこ抜いた。
やっぱりか。
バッチリ尖ってやがりマスYO!!
ドレもコレも、致傷と致死のギリギリライントラップじゃねーか!!!
俺のほうが、獲物じゃねーか!!!
KOEEEEEE!!