bloody mary

これはもう、反抗期なんかじゃない。

反乱だ。

家庭内ゲリラの誕生だ。

我が家は戦場だ─────!!!


「コレでもダメかぁ…」


あからさまな落胆の声に、マリーが視線を上げる。

ソコにはやっぱり、菜々。

自室のドアを少し開け、マリーの動向を観察していた様子の、菜々。

てか、君の着てるカーキのパーカー、迷彩服に見えてきたわ。


「菜々…
この辺でやめとかねェと『お仕置き』だ。」


マリーは獰猛な眼差しを菜々に向け、低く唸った。

途端に菜々の表情が強張る。

『お仕置き』フレーズは、効果抜群だろ。
トラウマ刺激しちゃって悪ィケド、もう手加減はナシだ。

早く反乱を鎮圧しなきゃ。
早くゲリラなんて廃業させなきゃ。

意を決して、マリーが叫ぶ。


「今日は昼メシ抜きだぁぁ!」


「‥‥‥それだけですか?」


「‥‥‥じゃ、おやつも…」


沈黙が落ちる。

こりゃ… 大失敗か?

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