bloody mary
Ⅲ
菜々… 菜々… 菜々…
どうしてこんなバカな真似を…
まともに話も聞かないで、一人で勝手に…
いや、バカは俺なのか?
一人で勝手に別れを決めて、置いていこうとしたから?
『家族』になれないから?
ずっと一緒にいられないから?
(…俺が、殺し屋だから…)
マリーは血が滲み出るほど窓枠に爪を立てた。
暗い後悔が胸を埋め尽くす。
こんな風に死なせるために、菜々を拾ったんじゃない。
こんな風に死なせるために、菜々の前から去ろうとしたんじゃない。
本当に大切だった。
守ってやりたかった。
触れることが冒涜だと思えるほどの、無垢で清らかな笑顔を。
なのに…
神よ。
こりゃ、あんまりだろ。
俺への罰なら、直接俺に下せばイイだろ?
菜々の人生は、やっと始まったばかりだったのに。
神よ。
あぁ、神よ。
俺はおまえを許さない。
菜々を奪ったおまえを、許さない。
おまえのガキだっていう人間共を全員ブっ殺してやる。
セカイノ スベテヲ ブッコワシテヤルヨ