bloody mary

不意にアンジェラはムカつく笑みを消した。

チラリと菜々に視線を送り、声を落としてマリーに訊ねる。


「いきなりすぎンじゃね?
菜々ちゃん、超初心者だゾ?」


「…大丈夫だろ?」


コーヒーカップに手を伸ばしながら、マリーも低く答えた。

大丈夫だろ?

だって、好きって言ってたし。
俺だって好きだし。

大体、マシンガン並みに殺し文句撃ち込んできたの、菜々じゃねーか。

大丈夫…デスヨネ???

コーヒーを一口啜って、気を落ち着けて。


「菜々。」


マリーは、幸せそうにベーコンを齧る菜々をジっと見つめて口を開いた。


「おまえ、今日から俺とココで寝るよな?」


「んむ?」


急ピッチで頬を動かし、んぐっと喉を鳴らした菜々が、無邪気に微笑む。


「ハイ!
じゃあ後で、お布団運んできますね。」




ハイ?

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