bloody mary
子供は自力で身を起こせるまでに回復した。
アンジェラに支えられながらではあるが、部屋にあるバスルームも使えるようになった。
だが、まだ一度も、マリーとは会っていなかった。
「今日はネカフェ禁止。」
いそいそと玄関に向かおうとしていたマリーのスプリングコートの襟を、アンジェラがひっ掴んだ。
「んだよ。
てか、ネカフェ言うな。」
暖かくなって、天気も良くて、まさに漫喫日和なのに?
今日は『体はコドモ、頭脳はオトナ』の蝶ネクタイ探偵になって、事件の謎を解かなきゃなンねーンだよ、バーロー(笑)。
振り返ったマリーの不機嫌そのものの顔を、やけに真剣な目をしたアンジェラが睨みつけた。
「マリー…
あのコ、この先どうするつもりなの?」
「ナニ?
もう移動可能なワケ?」
「そうじゃないケド…
家に帰りたいって。
父親に叱られるって。
…かなり、怯えてる。」
事件は俺ンチで起きたようだ。
ごめん、○暮警部。
眠りの小○郎と二人で頑張ってくれ。