bloody mary

「さささっきさっきさっきさきさきさきさきささき…キュウゥ…」


壊れ気味の菜々が一際妙な声を上げ、突然糸が切れたように仰け反った。

驚いたマリーが彼女の背中に腕を回し、倒れる身体を受け止める。


「ちょ… 菜々?菜々?!」


「あーあ…
白目剥いて失神とか…」


力の抜けた菜々の手首を取って素早く脈を確認したアンジェラが、眉根を寄せてマリーを睨んだ。


「アンタ…
『さっき』ナニしたの?」


「キスだけだっつーの!」


「ライトの?」


「…

‥‥‥‥‥ディープの?」


口ごもりながら呟いたマリーの一言を聞いて、アンジェラは大袈裟に溜め息を吐いた。


「マリー…
菜々ちゃんはまだ、感情も発展途上中なンだゾ?
ちゃんと段階踏んでやれよ。」


「段階?」


段階… 踏んでるもん。

いきなり、パンツ下ろしたりしてねーもん。

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