bloody mary

マリーが不服そうに下唇を突き出す。

どことなく幼いその顔を見て、アンジェラは彼の思いを読み取ったようだ。


「そーじゃねーの。
その、前段階の話。
自転車を二人乗りしたり、公園でクレープ食べたり、手を繋いで遊園地や映画に行ったり…」


「…
そんで、イタシちゃってイインデスカ?」


「んーん。
そんで、やっとキス。
観覧車の頂上でね。」


「…
いつになったら、イタシちゃってイインデスカ?」


「んー…
菜々ちゃん、男女関係どころか人間関係自体がアレだから…
場合によっちゃ、一年後?」


「…


待ーてーるーかぁぁぁぁぁ!!」


とうとうマリーは二度目の悲鳴を上げた。

アソコまで煽っといて、そりゃねーだろぉぉぉぉぉ?!

ほんとは、もう随分前から我慢してたの。
代わりなんて利かないコトも、痛いほどわかってンの。

やっと、唯一無二の女に手が届くトコロまできたってのに…

ココで、まさかのおあずけ?!

もう遠慮しなくていいンだろ?!
もう俺のモンなンだろぉぉぉ?!

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