bloody mary
「起きろ、菜々。
おあずけはねェよな?
イタシちゃってイイよなっ?!」
マリーは必死の形相で、腕の中の菜々をガクガク揺さぶった。
だが、菜々は「うーん」と唸るだけ。
「起きろ! 起きてクダサイ!!
犯しマスヨ?!コラ?!」
だがやはり、菜々は小さく唸るだけ…
しょーがない。
いっそ、このままヤっちまえ。
一回ヤっちまって、諦めがついたトコロを拘束及び監禁して、毎日毎日、愛される悦びを身体に教え込んでやれば‥‥‥
「顔がヤバいわ─────!!」
ゴンっ!
あまりの絶望で鬼畜と化したマリーの顔面に、アンジェラが木製のトレーを叩きつけた。
ハイ、鼻血ブー☆
緩んだマリーの腕から菜々を奪い取ったアンジェラが、憤然と立ち上がる。
「ナニ考えてンだ?!
菜々ちゃんは、いつも通り自分の部屋で寝かせるから!
アンタにゃ任せらんねーよ!!」
「あぁぁぁ… 返せぇぇぇ…
俺のだぁぁぁ… 俺のぉぉぉ…」
鼻血を垂れ流しながら足に縋りつくマリーを貫一気分で蹴り飛ばし、アンジェラは部屋を後にする。
一人残されたマリーの嗚咽は、閉じた扉に遮断された。