bloody mary
だが、当人たちは大真面目。
チラリと後ろに視線を送ったアンジェラが、低い声でマリーに訊ねる。
「マリー、ガレリオーネファミリーって、覚えてる?
アンタが昔、壊滅させたって話だケド?」
…
あ。
覚えてる、覚えてる。
お世話になってたトコだよ。
一瞬忘れてたケド。
懐かしいな、おい。
マリーが頷いたのを見て、アンジェラが再び口を開く。
「じゃ、ソコの跡取りっての、覚えてる?
レイシストで、かなりヤな奴だったって話だケド?」
あぁ、あのバカ息子。
白人至上主義者で、ゲイの。
覚えてる、覚えてる。
アイツを殺ったのが、コトの発端だしな。
マリーが嫌そうに顔を顰めたのを見て、アンジェラはさらに声を落として訊ねた。
「じゃ、『レッドローザ』って殺し屋は…
知ってっか?」
ん?
んんん?
そりゃ… 聞いたコトねぇな。
殺し屋なの?
ペーペーなの?
俺となんの関係があンの?