bloody mary
マリーは眉を顰めてアンジェラを見下ろした。
「まだガキなんだから、時間はたっぷりあンじゃねーか。
世の中に出る頃には、そのケアってヤツも終わってンだろ。」
「…ガキって…
あのコ、今年で16だって。
ちなみに児童養護施設は、18までしか面倒見てくれないわ。」
「…まじか。」
アンジェラの手を振りほどこうと、微妙に揺れていたマリーの動きがピタリと止まった。
彼の表情に変化はない。
その声音にも変化はない。
仕事柄、マリーはあまり感情を表に出さない。
だが、目一杯驚いてはいた。
いやいや…
まじで?
あのガリガリのチビが今年16?
中学生にすら見えなかったよ?
子供の姿を思い出して首を捻るマリーに、アンジェラが追い打ちをかける。
「知らなかったみたいね。
じゃ、コレは知ってる?
あのコは、女のコよ。」
「‥‥‥まじか。」
いやいやいやいや…
えぇ?
女のコなの?
嘘だろ。
そりゃねぇだろ。
抱えたケド、柔らかい丸みなんてドコにも…