bloody mary
(コレ…
サクっと殺っちゃ、ダメなンじゃね?)
そーだよ。
殺っちゃダメだ。
いや、最終的には殺るケドも。
その前に、『ブラッディマリー』のナニを知っているのか。
ドコまで知っているのか。
他にダレが知っているのか。
まるっと吐いてもらわなきゃ。
以前は、そんなコト気にしたコトもなかった。
向かってくる勘違い勇者なんて その場その場で蹴散らしてしまえばいいと思っていたし、そうしてきた。
だが、これからはそうはいかない。
菜々とアンジェラがいるのだから。
二人に危険が及ばないよう、全ての懸念材料を消さなければ。
一抹の憂慮も残さず、葬り去らなければ。
いつまでも、一緒にいられるように。
そのためなら、どんな労力も惜しまない。
真綿でくるむように、優しく守っていく覚悟だ。
そう、そんな覚悟なンだケド…
(…コレか、鼻血。)
マリーは菜々とアンジェラから目を逸らし、ミラーを確認し、再び彼らに視線を戻して溜め息を吐いた。
なかなか止まらないワケだよ。
コーフンの鼻血は、いつの間にか試練の鼻血に変化を遂げていた。