bloody mary

俺だって、健全な高校生活に憧れていたりした。

酒とタバコと香水の匂いがする女じゃなく、ほんのりシャンプーの香りがする清純派女子とお近づきになったりして。

バイクじゃなく、自転車を二人乗りしたりして。

ブサメンでもねぇから、この目付きさえ直しゃイケんだろ。

遠くの高校に入ってしまえば、忌まわしいあだ名を知らないヤツばかりだ。
結構有名になっちまったから、うんと遠くの高校がいい。

俺は、リア充好青年として生まれ変わるンだ…

俺は希望を胸に抱き、意気揚々と入試に臨んだ。

えー、突然デスガ。

普段しなれていない勉強をガッツリしちゃった時とか、立ち眩んだりしない?

緊張してる時とかもアルよね?

ハイ、またもご想像通り!

一夜漬けカマした上にガッチガチに緊張していた俺は、入試会場となった高校で立ち眩みに襲われ、階段を転がり落ちちゃいマシタYO!
そりゃもう、池田屋かっつーくらい派手にね?!

鼻血が噴き出マシタYO───!!

底辺高校だったので合格はしたものの、俺にはまたあだ名がついた。
入学前から、全校公認の。

俺は、ブラッディマリーに…

って、イイ加減にしろやー!!!

どーなってンだ、コレ?
イジメか?! 神のイジメか?!

いつかオメェにも、鼻血噴かせてやるからな───??!!

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