bloody mary

俺はやさぐれた。

俺は高校を飛び出した。
家を飛び出した。
ついでに日本も飛び出した。

ポケットティッシュを握りしめて‥‥‥

身一つで某ハンバーガー大国に渡った俺は、ダウンタウンで逞しく生きていた。

言葉は通じねぇわ、住む場所はねぇわ、食いモンもねぇわ、隙を見せると無条件で絡まれるわ…
勝ち残れなきゃ野垂れ死にという、バイオレンスどころか銃弾飛び交うサバイバル地帯。

だが、居心地が良かった。
ここでは、みんな鼻血を噴いていた。

ソコで俺は、幼少期からケンカで培ったトリッキーな動きと神をも畏れぬやさぐれメンタルを買われ、あるマフィアの子飼いになった。

使いっパシリのような仕事をしながら、今までガンガン撃ってるだけだった銃の上手な扱いを覚えて命中率を上げ、今まで以上に身体を鍛え、やさぐれメンタルを鋼の心に昇華させ…

いつの間にか俺は、
『二丁拳銃の悪魔』
と呼ばれるようになっていた。

もう子飼いじゃない。
使いっパシリでもない。
立派なマフィアの一員。

俺は表舞台には立つことなく、裏の仕事の要員になった。

つまりはヒットマン。
殺し屋だ。

日本人は弱腰の米つきバッタだなんて端っからナメてかかるヤツらを殺るのは、楽なモンだった。

ひゃはは、ザマミロ、神。
殺しまくってやるゼぇぇぇ!

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