bloody mary
溜め息を吐いたマリーは頭を掻きながら、思い詰めた顔をするアンジェラに言った。
「勘弁しろよ。
そーゆーナルシズム満載のターンは、鏡相手に一人でやってくンない?」
「はぁ? ナニ言って…
平気なのか?」
「ナニが?」
(ナニがって…)
アンジェラは口を開けて、茫然とマリーを見つめた。
いやいや。
フツー不安だろ。
フツー気にすンだろ。
なんでモゾモゾしてンの?
まさかこの状況で、ネカフェ行こうとしてるとか?
(逃がさねーゾ、コラ。)
アンジェラは再び身を乗り出してマリーを睨みつけた。
いい加減、ソファーから落っこっちゃいマスYO!
「あのなー…」
近すぎる男同士の距離にいたたまれなくなったマリーが立ち上がった。
アンジェラに捕まる前に素早く移動し、ローテーブルを挟んで向かいにある一人掛けソファーに腰を下ろす。
とりあえず、今すぐネカフェに直行する気はないようだ。