bloody mary
Ⅲ
イイ天気だ。
女子二人にとっては、買い物日和。
一人は女装男子だが。
マリーにとっては、漫喫日和。
天気は関係ナイとも言うが。
なんにせよ、誰にとっても有意義な一日になるハズだ。
が!
(嫌な予感がする…)
顔を洗ったマリーは、鏡に映る自分の顔をジっと見つめた。
顎から滴り落ちる、透明な水滴と赤い雫…
鼻血デスネ。
ソーデスネ。
ナンデ朝から鼻血?
ナンデ顔洗ったダケで鼻血?
もう、嫌な予感しかしねーよ。
白いタオルを血に染めながら顔を拭き、鼻にティッシュを詰めたマリーは自室を出た。
ちょっと落ち着こう。
コーヒーでも飲もう。
なんなら今日は一日、家に籠っていよう…
「アンジー、コーヒー。」
「ハイ。
あ… 鼻血…」
リビングに足を踏み入れたマリーに、ソファーから立ち上がって返事をしたのはアンジェラではなかった。
どー見ても大きいサロペットの裾をロールアップし、どー見ても大きいシャツの袖を折り、なんとか外に出られる格好になった菜々だった。